ギルド結成最終話。
本日の絵はぬるいですがシャルモモになります。
二人並べるとまさにかわいこちゃんズでたまらんです。
「一旦、外出ない? 街をふらついてるハントマンも結構いるしさ」
メルクの言葉にグリオンも頷く。
姫が見つかった以上、彼の目的のほとんどは叶っている。
あとはバランスのいいパーティ構成にするために、よさそうな人材をスカウトすればいい。
「じゃ、行くよ……って、モモメノは?」
「え? ひ、姫ー?! どちらに! どちらに!」
一瞬で落ち着きをなくしたグリオンはあらゆる方向に首を振り回した。
横でメルクが若干引き気味だ。
「うわっ、ちょっ、何だお前!」
ガタンという大きな音とその合間に聞こえた甲高い叫びにぎょっとして、音の大元であるオフィスの隅に視線をやった。
「……可愛い、帽子」
見れば、モモメノが大きな帽子の少年に抱きついている。
華奢な指先は帽子を撫で回し、表情はうっとりとしたものに変わっていた。
「ひ、姫?! 一体何を?!」
「ちょうどいいの見つけたじゃん。でかしたよ、モモメノ」
帽子の少年は大きなマントを纏い、装備もメイジのそれとよく似ている。
少年がメイジであるのなら、パーティの一員として歓迎したい人材だ。しかも、モモメノが一目で気に入っている。
今まで声を掛けてきたハントマンは全てモモメノが嫌がって断ってしまっただけに、第一関門突破はありがたかった。
「でかしたじゃねーよ! 自分とこの姫くらい管理しろよな、そこの馬鹿面騎士!」
シャルルはモモメノを支える左腕とは逆の右手をグリオンに向け、ぶんぶんと振り回す。
「……一日に二度も馬鹿と言われるとは……」
「いいからコレどうにかしろよ! 意外とキツイんだぞ、オレ非力だから!」
ぎゃあぎゃあと文句を吐き出すシャルルの上で、モモメノは変わらずうっとりと帽子を見つめている。視線の先が少年であれば、何がしかの勘違いも出来そうだ。
「あー、ごめんごめん。モモメノって気に入ると飛びつくらしいんだよね」
「はぁ?!」
「つまりさ、アンタを仲間にしたいんだよ、ウチの姫様は」
申し訳なさそうな響きをわずかに込めつつも、メルクの声は『フリーならギルド入り』を宣言していた。
いかにも『続きます』ですが、書きたい事は終わったのでここで終了。
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