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【バレンタイン02】ノワリー×赤ヒーラー

まだツン時期のノワリーさんと最初からデレのロザリーさんです。

ノワロザ→グリメル→閑話→ヤクモモ→シャルモモの順番の予定でおります。
ヤクモモの次はヤックが所属しているギルドの話です。
尚、タイトルはキャラ名ではなく一般的かなと思われるキャラの呼称になっております。今更ですけど。

※一部ファロの名前間違ってたので修正しました。ファラはミンサガだwww

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ポータルキーの存在を誰よりもありがたく思っているのはロザリーである。
以前は実家の高速船に乗りフロワロの中を突っ切ってプレロマまで通っていたのだが、今は簡単に移動が出来る。
私的利用なのであまり自慢できたものではないが、あの危険な海を渡ってくるくらいならと容認されている状態だ。
「ノワリーに会いたいのだけれど、取り次いでいただける?」
プレゼントの入った袋を抱えて、ロザリーは一階にある受付に申し出る。
居場所を知っていてもこちらと違い、あちらは仕事中である。さすがに押しかけて迷惑になるわけにはいかない。
「ノワリー学士ですね? 少々お待ちください」
なんだかわからない機械を操作して、受付の男はうんと頷く。
「たった今休憩に入られますので、最上階へどうぞ」
「あら、そうなの? 待っていてもよかったのに」
「いえいえ、よろしいのです。ファロ学士からも言い付かっておりますので」
「ファロが? ……そういうことね、ありがとう。あなたにもお裾分けよ」
「あ、ありがとうございます!」
チョコレートの入った小さな包みを一つ置くと奥の階段に向かう。
エメルの補佐として働く時間が長いノワリーは学士長室にいることが多い。一応研究室も持っており、すぐ下の階にある。普段はそこかノワリーの自室に直接向かうのだが、学士長室に通されるとはよほど忙しいのだろう。
目的は渡すことだけ、と心の中で確認して、最上階を目指す。
学士長室は最上階のワンフロア全てを占領している。奥にはエメルの研究室兼私室があるそうだが、もちろん入ったことはない。一応確認してみたが、ノワリーも部屋に招待されたことはなく、どんな作りかも知らないらしい。
「あ、ロザリーが来たです!」
階段を上っている最中にファロの嬉しそうな声が耳に届いた。
「あぁ、そうか。用があるのだったな、ノワリー?」
珍しく楽しげに語りかけるエメルの声が続いたが、「知りませんよ」という愛しいノワリーの困惑した言葉で少しロザリーの歩みは重くなる。
だが、ここで帰るわけにはいかない。
渡すだけ、渡したら帰る、平気そうな顔をする。
何度も脳裏で繰り返すと優雅な笑顔を作って、学士長室に乗り込んだ。
「こんにちは、皆様」
「ロザリー、こんにちは。今日は何か?」
用がないなら帰れ、と言われたようで少し躊躇する。
真面目なノワリーにこのような浮かれたイベントなど関係ないのかもしれないが、ロザリーはほんの少しでも楽しみたかった。
ただでさえなかなか会えないのだ。イベントごとくらいこなしたい。
「今日は貴方に贈り物をしたくて……少し時間をいただけるかしら」
「はい、大歓迎するです! ですよね、エメル様?」
「たまにはいいだろう。人の営みも竜に対抗するには重要だからな」
返事は別方向からやってきた。
あっけに取られたノワリーはもちろん、まさかのエメルの後押しにロザリーも驚きを隠せない。
学士長室と言われた時点で、エメルが馬鹿馬鹿しいと許してくれなかったのだと確信していた。それでも会う時間をもらえたのはそこにいるファロのおかげだとばかり思っていた。
「えぇと、ありがとうございます。エメル様……でも、ノワリーは」
ちらりと見上げるとノワリーが半ば諦めた目をしていることに気付く。
そんな表情ではなく、少しでも喜んで欲しかったロザリーは複雑な思いのまま彼を見つめた。
「……エメル様がよろしいのでしたら、少し席を外したく思います」
「あぁ好きにしろ。今日一日くらいお前がいなくても私たちは全く困らないからな」
「い、一日ですか……それはさすがにどうかと」
「私がいいと言っている。一日分の遅れも取り戻せない無能か、お前は?」
冷たく聞こえるが、裏を返せば一日の遅れくらいなら取り戻せるだろうと言われているのだ。
ただの貴族の娘であり、竜殺しのギルドであっても最初の戦いに参加していない彼女には、恋した男の有能さと学士長であるエメルからの信頼が本当に眩しく思えた。
「わかりました。今日はお休みをいただきます。ですが緊急時には参りますので」
「当たり前だ。さっさと下がれ」
顎で追い払うようにすると、ノワリーが一礼して下がる。
「ロザリー」
続こうとしたロザリーをエメルが呼び止めた。
「はい、エメル様」
向き直ると、思った以上に真面目にこちらを見定めるエメルがいた。
見た目は可憐ながら、その醸し出す雰囲気は威風堂々としたものである。
「その馬鹿が好きか」
身構えた彼女に投げかけられた言葉は至って単純だった。
迷いなくロザリーは言葉を紡ぐ。
「馬鹿だなんてひどいことをおっしゃいますのね。私にとっては王子様ですわ」
「おうじさま! すごいです、ノワリー!」
「くくっ。ノワリー、いつからプレロマは王制になった?」
「一体何を言ってるんですか、あなた方は!」
ロザリーの返答は満足のいくものだったらしく、俄かに学士長室は騒がしくなる。
漏れ聞こえる笑い声に下の階の者たちは夢でも見ているのかと思ったらしい。



突然の休みになったということで、今日は研究室ではなくノワリーの自室に向かうことになった。
久しぶりに部屋に招待されるのは嬉しかったが、素直に喜んでいいものか悩む。
バレンタインの贈り物をしたいというロザリーの我儘のためにほとんど強制的に休みを取らされたのだ。学士長にああ言われてはノワリーも予定を曲げざるを得ない。
あの場で毅然と「渡しに来ただけ」と言えればよかったのだが、千載一遇のチャンスにその台詞がどうしても出てこなかった。
冷静になった今、ふつふつと後悔が湧いてくる。
隣を歩くノワリーの表情は変わらず、いつもどおり固いままだ。やはり、と初心を思い出して立ち止まった。
「ロザリー? どうかしましたか」
「ねぇ、ノワリー。皆様のご好意は嬉しいけれど、私はバレンタインの贈り物を渡したかっただけなの。巻き込んでごめんなさい。貴方は研究に戻って」
一息で告げる。
出来るだけあっさりと言葉にできれば、その分感情がはみ出さずに済む。たぶん成功したとロザリーは思い、持ってきた袋を両手で差し出した。
中身は昨日の夜に作ったばかりのクッキーである。チョコレートよりは日持ちがするし、研究の合間にでも食べてもらえればいいという選択だった。
「ひどいことを言いますね、ロザリー」
「ノワリー?」
「私にとっては嬉しい時間ですよ」
先ほどのロザリーの台詞をなぞっていることに気付いて、頬を朱に染める。
彼女にとっては素直な気持ちだが、恥ずかしい発言だっただけにノワリーの気に障ったのではないかと心配していた。どうやら杞憂だったらしい。
「……いいの?」
「構いません。今日は貴女と過ごすと決めましたので」
「……!」
爆発したように熱が広がったかと思うと、次の瞬間にはぼろぼろと涙が零れる。
ノワリーの表情をちゃんと見たくて何度も目をこするが、滲んだ視界はなかなか元に戻らない。
「ロザリー、泣かれると困ります」
「だ、だって……初めてなんだもの。ノワリーを独り占めできるなんて」
「おおげさな」
「おおげさじゃないわ! 嬉しくてどうにかなりそう」
「……本当におおげさですよ、ロザリー」
そこに表れた困惑が拒絶をやんわりと示したものではなくて、ロザリーはやっと安心した。



私にとっては王子様、というのがすごく書きたかったのでした。
あとエメル様もたまには声を上げて普通に笑うといいと思います!
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