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【小話】ノワリー×赤ヒーラー/ロラッカ森林にて

やっとこさノワロザ出会い編です。
待っていてくださった皆様、ありがとうございます。ノワロザ誰か描いてくださ(ry

何も考えずに書き始めたら、グリメルになってしまったので、構成変えましたw
グリメル版は後日うp。

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ロザリーはうんざりとした顔で目の前のやり取りを眺めた。
冷静に告げる一人はギルドのリーダー、突っかかっているのはローグの少女だ。
ギルドに加入してまだ間もないが、今の状況は珍しい。元来面倒見がよいらしく、諭すメルクの姿は何度も見かけたが、諭される様は初めて見た。
「駄目です、残るのは貴女だ」
「何でよ! いきなり除け者なんて冗談じゃない!」
もう少し行けば、要請のあったロラッカ森林の入り口だ。
このくだらない喧嘩がプレロマの学士という男の耳に入らなければいいけど、とロザリーはため息をつく。
ギルドの面々の実力は肌で感じている。だがこんな騒ぎを続けていては、見知らぬ相手にその一端でも伝わるわけがない。
「全く面倒な人たちね」
事の発端は、プレロマの学士と連携を取るために誰か一人残そう、というグリオンの提案だ。
待ち受ける敵の情報も少なく、それはいい考えに思えたが、結局誰が残り誰が行くのかで揉める羽目になった。
討伐隊に決定しているのは戦略的理由と本人の希望により、グリオン、シャルル、モモメノ。あと一枠だ。
それならとメルクが立候補する。

「アタシは天涯孤独だもん。親いないし、何かあっても泣く人間少ない」

この台詞が常に穏やかなグリオンを怒らせた。

「死を覚悟した人間がいるとこっちも引きずられる。生き残りたい身としては迷惑です」

そして冒頭のやり取りである。
ロザリーとしては、自分が残っても討伐隊に加わることになってもどちらでも構わなかった。
メルクは貴族であるロザリーの家を気にしているようだが、何かを恐れるくらいならそもそもハントマンになどならない。
仲間には「花嫁修業の一環」と話してはあるが、それでも戦う覚悟くらいは決めてきている。安全地帯にいたいのなら、実家で安穏とした生活を送っていればいいだけの話だ。
それをしないと決めたのはロザリー自身、そもそも逃げるのは趣味ではない。
「お話にならないわね……私、先に行ってるわよ」
「え、ほっとくのかよ」
歩みを速めたロザリーをシャルルが小走りで追いかける。
「そのうちメルクが折れるわよ。あの男のまっすぐさにNOを突きつけるのは彼女じゃ無理ね」
「……ロザリーの言うとおりかも。それに今のメルクは心配……本当に失いそう」
「学士の方を待たせるのも申し訳ないわ。あちらは気が気じゃないでしょうしね」
「だな。ガキじゃねーし、自分らで追いつけるだろ。モモヒメも来い」
少し背後の二人を気にしていたが、モモメノも頷いて駆け出した。

先ほどまでの馬車で踏みならされていた道はもうほとんど草に覆われている。
ここまで来るのは狩人や植物を採取にくる者くらいだ。
「なんて禍々しい……」
ぼそりと零したモモメノを見遣り、ロザリーも目前に向き直った。
静謐ゆえに恐れを抱かせた森はない。
まるで世の理の全てが盗まれたような異様な姿が広がるだけだ。
赤く咲き乱れる花は美しい。そう表現できるのかもしれない。人の心が吹き飛べば、見惚れてそのまま花園に身を任せてしまうだろう。
誘惑と拒絶が身体を引き裂くようにない交ぜにぶつかり合う。
しっかり、とロザリーは自分に言い聞かせた。
胸の内で荒ぶる声を無視してはならない。
あれは、違う。
美しいけれど、ぞっとするほど危険。
ハントマンになって初めて足がすくんだ。
これからあの先へ向かわなくてはならないのに、足が動かない。
「失礼、カザンのハントマン……ギルド・エルピスの皆様でしょうか」
全くこの場にそぐわないような静かな声が耳に届き、ロザリーはびくりと肩を震わせた。
心臓はドクドクと波打ったままではあったが、ざわめきは引いていく。
「あ……」
深い緑の髪は、良く知ったこの森のようだった。
森の精霊が現れたように思い、瞬き一つで否定した。
もし本当に精霊がいるとしても彼のような瞳は持つまい。
男はロザリーを値踏みし、答えを瞬間に弾き出して、そのまま奥に隠し込む。一秒にも満たない間に、彼はロザリーを『わかった』つもりになっている。少し腹立たしく思い、けれど胸は高揚した。
この男を驚かせたい。
仮面のような表情を崩し、愛を乞わせたい。
いいえ、違う。
ロザリーは穏やかな心で思った。
『私はこの人に愛して欲しい』
苛立ちと共に訪れた感情は、たぶん一目惚れという言葉で語るのが一番近い。
「ノワリー副学士長だぜ、ロザリー」
耳打ちするシャルルに目もくれず、じっとノワリーを見つめる。
ノワリーは全く動じず平然と視線を受け止めていた。
「そう、この人が」
ますます死ねなくなった、とロザリーは微笑む。
「ノワリー、生きて帰ってこられたら、貴方と話したいわ」
怪訝な表情を見せたノワリーはあいまいに頷く。
元より死ぬつもりではなかったけれど、生き残りたいと願う決定的な理由が出来た。
とても喜ばしく、完璧で、幸せ。
あれほど恐ろしかった赤い花たちも霞む。
不思議と怯えも消え去っていた。


あやうくラブな部分が入らなくなるところでした……。
今更ギルド名つけました。一番最初に頭に浮かんだのが死霊のはらわただった私は一体どういう脳みそしてるんですかね?!
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